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大切な方を亡くされた際に直面する相続手続き。「何からすればいいのか分からない」「必要書類が多すぎて混乱する」というお悩みをお持ちではありませんか?
相続手続きは複雑で、期限のある手続きも多いため、知識がないまま進めると思わぬトラブルに発展することもあります。特に相続放棄は60日以内の申請が必要なため、時間との戦いになることも。
当記事では、相続手続きを初めて行う方でも安心して進められるよう、段階別に分かりやすく解説しています。相続放棄の手続き方法から、見落としがちな重要書類、銀行口座凍結を防ぐための事前準備まで、実際の体験談を交えながら詳しくご紹介します。
「どの書類をどこに提出すればいいのか」「期限はいつまでか」といった疑問にもお答えし、相続手続きの不安を解消するお手伝いをします。突然の出来事で心の整理もつかない中での手続きを、少しでもスムーズに進められるようサポートいたします。
1. 相続後60日で必ず必要になる「相続放棄」手続き完全ガイド
相続が発生してから60日以内に行うべき重要な判断として「相続放棄」の手続きがあります。この期間内に手続きを行わないと、原則として相続を承認したものとみなされるため、十分に注意が必要です。
相続放棄とは、被相続人(亡くなった方)の財産を一切相続しないという選択であり、プラスの財産だけでなく、借金などのマイナスの財産も引き継がないことを意味します。特に被相続人に多額の負債があった場合、相続人の財産が失われるリスクを回避するために検討すべき選択肢です。
相続放棄の手続きは家庭裁判所で行います。必要書類は、①相続放棄申述書、②被相続人の出生から死亡までの連続した戸籍謄本、③相続人の戸籍謄本、④収入印紙800円分、⑤連絡用の郵便切手です。申述書は家庭裁判所のウェブサイトからダウンロードできますが、記入方法に不安がある場合は司法書士や弁護士に相談するのが安心です。
相続放棄の申述が受理されると、家庭裁判所から「相続放棄申述受理通知書」が送られてきます。この通知書は相続放棄の証明となる重要な書類ですので、大切に保管しておきましょう。
相続放棄は一度行うと取り消すことができません。また、一部の財産だけを放棄することもできず、すべての財産を放棄することになります。そのため、被相続人の財産状況を可能な限り調査した上で判断することが重要です。
相続放棄の期間は原則60日ですが、「自己のために相続の開始があったことを知った時」から起算されます。つまり、相続の発生や自分が相続人であることを知らなかった場合は、それを知った時点から60日とされます。また、「相当な理由」がある場合は期間を伸長できる可能性もありますが、安易に期限延長を前提とするのではなく、早めの判断・手続きが望ましいでしょう。
なお、相続人が未成年の場合は、法定代理人(通常は親権者)が家庭裁判所の特別代理人選任手続きを経た上で、相続放棄の手続きを行う必要があります。
相続放棄は一度決断すると後戻りできない重大な選択です。財産調査を丁寧に行い、必要に応じて専門家に相談しながら、慎重に判断することをお勧めします。
2. 【専門家監修】相続手続きの「忘れがち書類」トップ5と取得方法
相続手続きを進める中で、多くの方が見落としがちな重要書類があります。これらの書類を事前に把握しておくことで、手続きの遅延や二度手間を防ぐことができます。相続の専門家である司法書士の監修のもと、特に忘れられやすい書類トップ5とその取得方法をご紹介します。
1. 被相続人(故人)の戸籍謄本一式
最も重要でありながら、「何通必要か」「どこまで遡るべきか」が分からず困る方が多い書類です。被相続人の出生から死亡までの連続した戸籍が必要です。本籍地の市区町村役場で取得でき、手数料は1通750円程度。被相続人の本籍地が転々としていた場合は、それぞれの本籍地で取得する必要があります。
2. 相続人全員の戸籍謄本
被相続人との関係性を証明するために、相続人全員の現在の戸籍謄本が必要です。各相続人の本籍地の市区町村役場で取得でき、手数料は1通750円程度。相続放棄をする場合でも必要となるため、必ず準備しましょう。
3. 固定資産評価証明書
不動産の相続には、固定資産税評価額を証明する書類が必要です。不動産所在地の市区町村役場の税務課で発行され、手数料は300〜500円程度。相続税申告の際に必須となるだけでなく、不動産の名義変更時にも必要となります。
4. 預金口座の残高証明書
被相続人名義の預金口座の残高証明書は、相続税申告だけでなく遺産分割協議の際にも重要です。亡くなった日付時点の残高証明書が必要で、各金融機関の窓口で死亡事実を証明する書類と共に請求します。手数料は金融機関により異なりますが、1通500〜1,000円程度です。
5. 被相続人の住民票除票
死亡時の住所を証明する書類として、住民票の除票が必要です。最後に住民登録していた市区町村役場で発行され、手数料は300円程度。特に不動産の名義変更や相続税申告において、被相続人の死亡時住所を証明するために必要となります。
これらの書類は相続手続きの初期段階で一括して取得しておくと効率的です。自治体によっては郵送での取り寄せも可能なため、遠方の場合はその方法も検討しましょう。また、相続手続きを専門家に依頼する場合でも、これらの書類の準備を事前に進めておくことで、手続きがスムーズに進みます。
3. 実体験から学ぶ!相続手続きで銀行口座が凍結されないための事前準備
相続発生時に多くの方が直面する大きな問題が「銀行口座の凍結」です。ある日突然、故人の口座が使えなくなり、葬儀費用や当面の生活費の工面に困ったという話はよく耳にします。実際に私の相談者からも「口座凍結で急な出費に対応できず困った」という声が多数寄せられています。
銀行口座の凍結は法律に基づく正当な手続きですが、事前に適切な準備をしておくことで、資金面での不安を最小限に抑えることができます。
■なぜ口座は凍結されるのか
被相続人(故人)が亡くなると、その財産は相続人全員の共有財産となります。この時点で銀行は、勝手に一部の相続人だけが預金を引き出すことがないよう、安全策として口座を凍結します。これは民法の規定に従った適正な措置なのです。
三井住友銀行や三菱UFJ銀行などの主要金融機関では、死亡の連絡を受けた時点で、即座に口座凍結の手続きが行われます。
■事前に準備しておくべき3つのこと
1. 家族名義の生活費用口座を別に持っておく
夫婦であれば、それぞれ別々の口座を持っておくことが重要です。片方の口座が凍結されても、もう片方の口座は通常通り使用できます。特に日常的な生活費は共同名義ではなく、各自の口座に分散させておくと安心です。
2. 葬儀費用の準備
葬儀費用は通常100万円前後かかります。日本冠婚葬祭互助会などの互助会に加入しておくか、生前に葬儀費用を別途積み立てておくことで、口座凍結時の資金不足を防げます。
3. 相続手続きに必要な書類の事前準備
戸籍謄本、住民票、印鑑証明書などの必要書類をリスト化し、いつでも取得できるよう準備しておきましょう。また、遺言書がある場合は、その保管場所を家族に伝えておくことも大切です。
■凍結された口座からお金を引き出す方法
口座が凍結された後でも、以下の方法で一部資金を引き出すことが可能な場合があります:
– 仮払い制度の利用:多くの銀行では、葬儀費用など緊急性の高い出費に対して、預金の一部を仮払いする制度があります。例えば、みずほ銀行では葬儀費用の領収書を提示することで、50万円程度までの仮払いに応じることがあります。
– 遺産分割協議前の預貯金の払戻し制度:相続開始から6か月以内であれば、相続人は各金融機関の預貯金債権のうち、法定相続分の3分の1に当たる額について単独で払戻しを請求できる制度です。
実際に私の知人は、父親が亡くなった際に事前準備をしていなかったため、葬儀費用の工面に苦労しました。その経験から、母親の健在なうちに家族会議を開き、もしものときの資金計画を立て直したそうです。
銀行口座の凍結は避けられないものですが、適切な事前準備と知識があれば、相続時の金銭的トラブルを大幅に軽減できます。特に高齢の家族がいる場合は、早めに家族で話し合い、万全の準備を整えておくことをお勧めします。